九州研修紀行文

高校2年生で行われる中国研修の紀行文をご紹介します。

執筆者 ナム

 突然ですが「九州研修」とは何かご存知ですか?

 九州研修とは高2の10月に行われる研修で、中国研修と並び本校の校外学習行事の集大成として扱われています。中国研修に比べて旅程の自由度が高いことで有名で、西部九州の5県を5泊6日で回りながら各地で様々な体験をします。
 学校側から指定される旅程はなんと以下のみ。

1日目 知覧にて特攻会館見学(全員共通)
2日目 鹿児島県内にて班別学習
3日目 熊本、佐賀、福岡県内にて班別学習
4日目 福岡、佐賀、長崎県内にて班別学習
5日目 長崎県内にて班別学習
6日目 長崎市内にて班別学習 

 班別学習での見学先は各班が「自調自考」しながら自由に決めることができます。

 以下に、私が実際に行った時の行程を載せます。非常にタイトかつユニークな行程ですので、あくまで一例として見ていただければ幸いです。

一日目

 羽田空港での集合時間は8時30分ですが、先に中国へと出発する人々を見送るため、朝7時の羽田空港へと向かいます。(なお、多くの人は7時に起床しても間に合ったそうです。)

 

 無事に中国へと旅立った友達を見送った後、空港で朝ご飯を食べました。(ちなみに、中国組を見送りに来たのはうちの班員だけでした。)

 8時30分ごろに地階のロビーに再集合し、保安検査を通った後飛行機に乗りました。

 

 機内食は出ませんでしたがドリンクは出ました。

 約2時間のフライトの後、鹿児島に到着しました。空港から乗車したチャーターバスの車内では、ガイドの方から鹿児島の歴史にまつわる話がありました。

 知覧パラダイスに到着し、昼ご飯を食べました。鹿児島名物の鶏飯・黒豚の角煮・黒豚のしゃぶしゃぶなどなど。量も味も豪華でした。

 その後、特攻会館で展示を見学したり特攻隊にまつわる話を聞き、家族に手紙を書いたりしました。特攻隊員達の気持ちを理解できたような気がします。

 そしてチャーターバスでホテルへと帰り、1日目は終了しました。

2日目

 2日目からは自由行動となります。この日は引率の先生がついてきてくださりました。駅近のホテルを出て、九州のバスが乗り放題になる「SUNQパス」を購入しました。今回の行程では移動のほとんどをこのフリーパスにお世話になりました。

 駅から15分ほどバスに乗り、鹿児島の中心街「金生町」に到着しました。荘厳なたたずまいの百貨店が風情を醸し出しています。

 

 さて、ここから乗車するバスはちょっと変わっています。

 なんと、客を乗せたままフェリーに乗る非常に珍しいバスなのです。

 船内では、希望すればバスから降りることができました。いいにおいがするほうへ向かってみるとうどん屋があったので注文しました。

 船内食は別腹です。西の優しいつゆの味は何杯でもいけてしまいます。

 外に出ると雄大な桜島を見ることができます。

 

 桜島に向かう際には、あまり知られていないこのルートを使ってみるのも乙なものです。引率してくださった先生も大絶賛でした。

 大隅半島の垂水港に到着した後は、再びバスで海沿いを南下します。鹿屋市の航空隊前というバス停で下車しました。その名の通り海上自衛隊の鹿屋航空基地があります。

 

 敷地には退役した飛行機やヘリコプターがたくさん展示されていて非常にワクワクしました。資料館も併設されており神風特攻隊についての資料などを読むことができます。知覧は元陸軍、鹿屋は元海軍と所属が違ったため資料の内容が異なり、とても興味深かったです。そのほかにも航空自衛隊の展示などもあり魅力的でした。

 バスで市内中心部に移動し、次に向かうは鹿屋市鉄道資料館です。

 かつては国鉄大隅線がこの付近を走行していましたが、1987年に廃止されました。当時の鹿屋駅を資料館にして、そのとき駅に置いてあったものや実際に使用していた車両などを展示していました。係員の方も非常に親切にしてくださいました。国鉄時代になくなった路線のことを詳しく知ることができました。

 

 本当は鹿屋で昼食をとる予定でしたが、時間がなくなってしまったのでスーパーに寄って食料を調達しました。

 帰りはバスを乗り継いで海沿いを進み、桜島の南岸に出ました。

 

 このバスは本数こそ少ないですが、鹿児島市中心部から見る桜島とはまた違った景色が見られる面白い路線です。うまく乗り継ぎを考えて乗った甲斐がありました。

 

 溶岩流の上に作られた溶岩道路を通り、桜島港に到着しました。

 火山の近くだったので温泉がありましたが、今回は足湯だけにしました。足湯に入った後はかわいい野良猫を見ながら、引率の先生と冷凍ミカンをのんびり食べました。先生と離れた後はお土産を購入しフェリーに乗車。そして鹿児島名物であるかき氷の白くまを食し、この日の行程は終了しました。

 

 なお、この日の夕食で日程短縮が発表され研修委員が慌ただしくなったのはまた別のお話。

3日目

 いよいよ鹿児島を離れます。貸し切りの古いバスに乗り、鹿児島中央駅に向かいます。そこから新幹線に乗り換え、みずほ号で一路熊本へ。うとうとしている間につくのですから新幹線は偉大です。熊本で降りた他班は市内観光が中心でしたが、我々はすぐに鹿児島本線に乗車して北上します。荒尾市を過ぎてちょうど福岡県に入ったところにある、大牟田駅で下車します。

 大牟田は、近接する荒尾と並び三井三池炭鉱があったことで有名で、市内の各地に鉱山が現役だった頃の施設が保存されています。

 

 今回はそんな遺跡を訪ね、近代日本の産業革命の様子を学ぶことにしました。

 こちらの施設では建物を外から眺めるだけでなく、当時工夫として働いていた人の解説を聞きながら内部を見学することができます。残された設備の先に当時の人々の生活の様子を感じつつ、石炭で栄えていた日々に思いを馳せました。

 さて、大牟田を後にし今度は太宰府へと向かいました。行き先はもちろん学問の神様「太宰府天満宮」です。

 

 班員全員で学業成就を祈願しました。

 路線バスでホテルへと向かい、この日の行程は終了しました。

 さて研修が行われた2019年10月、関東地方には大型の台風19号が接近、上陸しようとしていました。それを受けて、中国、九州ともに研修の日程変更が行われました。九州組は、日程を途中で打ち切り、5日目の午前の飛行機で東京に帰ることになりました。残念ではありますが自然災害には抗えません。そこで、長崎での滞在時間短縮に対応するため行程の変更が認められることになりました。結局22時過ぎまで各班による行程の変更と研修委員による確認が続きました。

4日目

 研修もいよいよ折り返し地点……どころか残すところ後2日。あれだけ楽しみに準備していた九州研修も、いざ来てみるとあっという間です。

 さて、この日は朝からトラブルが発生します。乗る予定のバスに乗り遅れてしまったのです。嘆いていても仕方がないので次のバスで向かいます。しかし、そのバスが高速で渋滞にハマってしまいました。

 結局天神での乗り換え時間が少なくなり、大急ぎで乗り換えることになりました。

 天神からは高速バスで伊万里へと向かいます。

 伊万里では伊万里焼の博物館を見学しました。

 ここからは路線バスを乗り継いで佐賀を横断します。途中、乗り継ぎの為に立ち寄った三間坂で昼ごはんを食べました。お店のおばあちゃんの優しさがとても印象に残っています。

 

 さらにバスを乗り継ぎ嬉野へと向かいます。嬉野といえば嬉野温泉!ということで温泉に入りました。風呂上がりに食べたブラックモンブランがおいしかったです。

 その後市街を歩き、嬉野茶のおやつも食べました。こちらもとてもおいしかったです。

 

 そして高速バスに乗りホテルに到着しました。

5日目

 いよいよ最終日です。

 飛行機の時間が早まったこともあり、この日は全員でグラバー園を見学しました。園内の美しさもさることながら、園からの景色が素晴らしかったです。坂の町長崎を象徴する家々の並び、海に浮かぶ数多の造船所。自分が今長崎にいるということを実感します。願わくばもっとゆっくり観光したかった……

 非情にも時間は流れるもので、九州を旅立つ時がやって来ました。

 

 帰りの飛行機の中では、みんな疲れていたようでぐっすりと寝ていました。そして羽田空港で解散します。台風による運休が始まる前に全員が帰宅できたようでよかったです。

おわりに

 いかがでしたか。これが「渋幕的自由」な研修の集大成です。台風の到来によりイレギュラーもありましたが例年このような行事を行っております。多少なりとも雰囲気を味わっていただければ幸いです。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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