鎌倉研修紀行文【北鎌倉写真最新情報付き】

中学2年生の5月に行われる鎌倉研修の紀行文をご紹介しています。

執筆者 狂猫

1.前書き

 本校の一大行事である研修。その中で中2で行われる鎌倉研修は最後の日帰り研修であり、また自由度が中1とは変わり大幅に高くなっており、行動範囲が格段に広がり、今までグループ単位だった行動が班単位の行動となる。この研修は真の意味で渋幕らしい研修の始まりであるといえる―

 さて、御託はこれくらいにしてこれから鎌倉研修の紀行文を書いていくのだが、自分が行った地域は北鎌倉―いわゆる鎌倉と言われて想像される様な鎌倉市街から1駅離れた寺社が密集している地域である。北鎌倉は非常に落ち着いた雰囲気の場所で、コロナ前でも観光客は少なく、落ち着いて寺社を見て回りたい人にはピッタリの場所だろう。

 北鎌倉には比較的大きな寺社が3つあり、北鎌倉駅から徒歩1分に満たない場所にある円覚寺、紫陽花寺として有名な明月院、そして北鎌倉最大の寺院である建長寺である。この3つの寺院は見て回るだけでも5時間程度を要し、非常に充実している。しかし、北鎌倉は主要な観光地ではないので、学生が昼食に食べるような飲食店というものが少なく、駅前のそば屋くらいしかないので、昼食の際は要注意だ。

 今回の紀行文を書くにあたって、2020年10月25日に現地に行って状況を確認してきたので、少なくとも執筆時点の11月初旬では最新の情報を提供している。

2.北鎌倉の概要

 北鎌倉はその名の通り鎌倉市街の北に位置する地域である。周囲を山に囲まれ、倭山の間の谷間を縫うように市街地が広がっており、寺院はその山に寄り添うようにして立地している。そのため、北鎌倉の寺院の特徴としては、入口から縦に広く、山に寺院が取り込まれているような印象を受ける。また、歴史の古い寺院が多く、禅宗の寺院も多い。

3.建長寺

 建長寺は北鎌倉最大の寺院で、臨済宗建長寺派の総本山である。この寺院の歴史は古く、開祖は鎌倉幕府の五代執権北条時頼に招かれた蘭渓道隆によって開かれた。鎌倉五山の第一位でもあり、格式が非常に高い寺院である。北鎌倉駅から徒歩約20分と少し遠めだが、行く価値は十二分にあるといえよう。以下、建長寺の各所に関して写真付きで解説していく。

1.建長寺山門

 

建長寺の非常に立派な山門。

 建長寺の受付を通ってしばらく歩いていくと目に付くのがこの門である。この門は1775年に建築され、関東大震災を乗り越えている。この門はさすが鎌倉五山の第一とでもいうべきか、非常に大きい。また、重要文化財に指定されている。

2.唐門

 

正面から見た唐門。

中から見た唐門

 唐門は建長寺の中でもひときわ豪勢な部類に入る。写真の通り金が前面に出ており、ここまで金が強調されている建物は北鎌倉では珍しく、ほぼここのみといってもよいだろう。また、唐門右から庭園に入ることができ、その庭園は見事である。さらに、その右には広い集会場があり、自分が行ったときには何かの催しが行われていた。観光地としての役割を果たすだけでなく、地域コミュニティの交流の場にもなっているのだと感じた。

 

庭園。奥に見えるのが集会場。

 庭園は非常に落ち着いた雰囲気で、この庭園を眺めることのできる建物の中には復元ではあるが歴史ある巻物の展示があり、普段は座禅の場として使われているようだった。一般人でも体験することができるので、一度座禅を組んでみるのもよいだろう。

3.河村瑞賢墓

 河村瑞賢は紀伊に生まれ、西回り航路を開拓したことで有名。その他にも多くの実績を残している。その河村瑞賢の墓が建長寺にはある。非常に落ち着いた雰囲気の場所にあり、小高い丘の上にある。

 

河村瑞賢墓。閑静な場所に佇んでいる。

4.半僧坊

 半僧坊は建長寺奥の山の中腹にあり、建長寺本堂からかなり距離がある。そのためか、観光客は少ないが、そこから少し上った丘の上からの景色は鎌倉一円を展望できる。相模湾、果ては横浜のほうまでよく見ることができ、横浜ランドマークタワーが目視できるほどの素晴らしい景観だ。ここに至るまでは非常に厳しい階段を上らなければいけないが、その苦労を補って余りある絶景が待っているのでぜひ行ってみるといいだろう。

 

半僧坊への鳥居をくぐる。

 

半僧坊への厳しい階段を上っていく。 

 

半僧坊に到着。

 

半僧坊から少し上った丘からの眺め。眼下には建長寺、鎌倉市街、相模湾が見える。

5.その他

 回春院は、半僧坊へ行く道から外れたところにぽつんと立っている建物だ。そばには池や柿の木がある。ここまで来る観光客は一段と少なく、境内一落ち着いた雰囲気である。

 また、実は建長寺には現代アートが存在している。半僧坊へと至る道中、竹林に囲まれた落ち着いた場所に突如現れる虫の彫り物である。その名を虫塚というそうだが、養老孟子が発案し、隈研吾が設計したというものである。歴史的観点から見れば非常に豪華な面々によって作られたものであり、一見する価値があるといえよう。

 

落ち着いた雰囲気の竹林に囲まれている。

4.明月院

 明月院は北鎌倉駅から10分ほど歩いたところにある。線路わきから逸れた、落ち着いた参道を通って至る。明月院は別名「紫陽花寺」としても有名である。自分が行った時期はアジサイの花の時期からは外れていたが、それでも季節の花が咲いており、花でなくても植物がきれいなので、自然が好きな方は行ってみるとよいだろう。

1.明月院受付付近

 明月院の受付付近は北条時頼の墓や、売店がある。また、さすが花で有名な寺だけあって、10月下旬にもかかわらず花が沢山咲いていた。受付前にはウサギと亀の置物があり、参拝者を出迎えてくれた。明月院には「桂橋」という大きな木製の橋があり、古代日本風の橋として有名である。ぜひ訪れてみて欲しい。

受付を入ってすぐのところに咲いていたリンドウ。

 

受付前のウサギと亀の置物。

 

桂橋。趣深い木製の橋である。

2.本堂付近

 明月院の本堂は明月院の奥にあり、基本的に撮影禁止となっている。また、本堂の裏には広い庭園があり、よく手入れされている。また、本堂付近のかなり大きい岩の上には紅葉の木が生えており、生命の力強さを教えてくれる。

 

本堂で唯一の撮影スポット。 

地蔵とウサギの置物。

 

季節外れになぜか咲いていたアジサイ。

 

岩の上に生えている紅葉の木。

5.円覚寺

 円覚寺は北鎌倉駅の目の前にある寺院で、建長寺の次に大きく、鎌倉五山の第二位である。また、臨済宗円覚寺派の大本山であり、北条時宗によって文永の役の戦没者供養のために建立された。建長寺が官寺的な性格が強かったのに対し、円覚寺は北条氏の強い庇護を受け、北条氏の私寺の性格が強い。加えて、国宝の建物が存在するなど、文化的にも重要な寺院である。

 円覚寺は、北鎌倉の寺院の特徴ともいえる縦に広い構造を体現しており、また、山の中腹に建物が点在するなど、実に北鎌倉らしい寺院であるといえる。

1.山門

 円覚寺の山門は建長寺ほどの大きさはないが、それでもほかの寺院に比べれば非常に大きく、円覚寺の入り口をくぐると、その大きさでこちらを出迎えてくれるような位置にある。

円覚寺を入ってすぐに見える山門。

 

本堂から見た山門。

2.本堂

 円覚寺の本堂は非常に落ち着いた雰囲気で、山門からすぐの位置にある。

 

山門から見た本堂。

本堂に寄り添うような竹林が出迎えてくれる。

3.弁天堂

 弁天堂は山門の右手にあり、少し境内から離れた小高い丘の上に位置する建物である。その横には国宝の洪鐘があり、天気の良い日に訪れれば遠くに富士山が見えるほど眺めがよい。

弁天堂。

弁天堂から見た景色。うっすらと富士山が見える。

4.円覚寺方丈

 円覚寺方丈は本殿から少し奥に行った場所にあり、よく整備された庭園が存在する。自分は個人的にはこちらの庭園が北鎌倉の庭園の中で一番きれいだと感じた。

 

方丈内にある庭園。

5.その他

 円覚寺には、もう一つの国宝である舎利殿がある。一般人は立ち入ることはできないが、遠くから見ることはできる。また、円覚寺の最奥部には黄梅院という建物があり、手入れの行き届いた庭園には多くの地蔵像が安置してある。

国宝の舎利殿。 

黄梅院。

黄梅院の植物。このような苔や植物の多い庭園である。

6.まとめと編集後記

 北鎌倉は実際の研修でも選ぶ人は少数だが、様々な見るべき場所があり、満足の行く時間が過ごせるためぜひ一度立ち寄ってみるといいだろう。

 今回の記事を書くために実際現地に行ってみると、人っ子一人いないだろうと予想していたのだが、日曜日なのか、人が結構おり意外であった。また、寺院と寺院を結ぶ山の尾根を通るハイキングコースがあり、とれいる欄の方がたくさん訪れていた。今回の記事を書くために現地に行ったが、中二のころを思い出して懐かしい気持ちになった。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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